08/8/8




 日本でも流行が心配されていたフィブロパピロマという疾病にかかったアオウミガメが、昨年は八丈島の海で多数見つかっていたことが、最近、産経新聞(7月22日)やNHKのニュース(同25日)で報じられた。
 「八丈島の海だけで見られるのはなぜか」と問いかける内容だったため誤解を招きかねない報道だったが、実はこの病気、80年代から米フロリダ州やハワイで増加し、ハワイの一部海域ではアオウミガメの半数以上がかかるなど、海外ではウミガメ保護の面で大きな問題となっていた。
 フィブロパピロマは、ウイルスの感染によって起きるとされ、主にアオウミガメで見られる。首や四肢の付け根などに腫瘍ができ、重症になると摂食や行動が困難になる。
 日本国内で重症例が相次いで見つかったのは04年。沖縄県・西表島、高知県の室戸岬沖で死がいが見つかり、静岡県御前崎町では大きな腫瘍があるアオウミガメが定置網にかかった。
 NPO法人『日本ウミガメ協議会』の松沢慶将さんは「フィブロパピロマは世界中の海のアオウミガメに見られる病気。発症した個体からは必ずウミガメヘルペスウイルスが見つかるので、ウイルスの感染が原因と考えられているが、発症していない個体からもこのウイルスが見つかっており、ストレスや海洋汚染による複合原因説もある。しかし、どれももっともらしいが、どれも決定要因に欠ける」という。
 昨年は八丈島の海で、アオウミガメの多くに腫瘍が見られた。新聞には、ダイビングショップを経営する大賀郷、赤間憲夫さんの目撃談が掲載された。赤間さんは「昨年は確かにひどかったが、今年は昨年ほどではない。病気の原因がわかっていないこともあり、早く研究が進むことを期待している。一般紙からの取材は直接受けなかったのに、話していない内容のコメントを掲載されたのには驚いている」と、困惑顔だ。
 この報道により、南海タイムス社にも「八丈島の海は大丈夫か」という問い合わせがあった。専門家によれば、世界各地の海で見つかっている症例で、むしろ日本では発症が遅れていた、というのが実状のようだ。
 写真は現在、ナズマドに棲むオスのアオウミガメ。首や四肢の付け根に腫瘍が見られる(提供=レグルスダイビング・加藤昌一さん)