08/3/21






 年間1万人以上のサーファーが訪れるといわれる末吉・汐間海岸。支庁土木課は5日、洞輪沢漁港から汐間海岸への通り道となっている都道(通称・汐間道路、延長700メートル)を「崖崩壊の危険性が高い」として通行禁止にする意向を町や関係機関、末吉自治会に伝えた。関係者からは「観光へのダメージが大きい」「いきなり通行止めはおかしい」などの声が高まり、土木課もこの措置をいったん保留し、対応策を検討することになった。
 昨年秋、町が汐間道路終点近くの道路崩壊箇所を補修し、一帯を乙千代ヶ浜のように整備してほしいと都に要望、都が事業化へ向けた斜面の緊急点検を実施した。その結果、特に洞輪沢漁港側入り口付近の高さ25〜30メートルの崖に亀裂や板状に浮いた岩塊などが見つかり、大規模な崩壊が生じるおそれがあることがわかった。同所については、これまでも落石防止柵や防止網、擁壁工、石積工などの安全対策が行われているが、調査では「恒久対策として不十分」と指摘された。
 雄大な自然に囲まれた汐間海岸は1年を通じて安定した波ができる国内でも注目度の高いサーフポイント。雑誌などにもよく紹介され、島外からも多くのサーファーやボディボーダーが訪れる。
 ここ数年は、このポイントでサーフィンができるからと、島内に職を求め、移住する若者も増えている。この情報を聞いた地元のサーファーは、都にメールで通行止めをしないよう求めるなど、関係者の動きも活発化している。
 また、サーファーが宿泊客に占める比重が高い末吉や中之郷の民宿からは「通行止めは死活問題」と強い反対の声が出ている。洞輪沢で民宿を経営する服部直子さん(77)は「若い人が本当に波を楽しみにして来てくれるので、それを奪うようなことはしてもらいたくない。坂上だけでなく島の多くの民宿にとってサーファーは大事なお客さまです」と訴える。
 この問題について浅沼町長は「都に汐間海岸の整備をお願いしているが、通行止めにするということではない」としている。支庁土木課の古澤正彦課長は「危険だとわかった以上、何らかの措置は取らざるを得ないが、町や関係者と共に同路線の重要性を本庁に訴え、対応策を見つけたい。これを機会に恒久的な安全対策が事業化できればと考えている」と、前向きな姿勢を示している。