07/1/12




 「欠航で帰れなくなった観光客は思わぬ災難に遭ったようなもの。受け入れ側は放っておかないようにしなければ」。こんな思いから、中之郷婦人会(山下芙美子会長)の有志が7日、欠航の客を温泉まで送り、島料理などでもてなした。
 前日から足止めになっている客も多かったため、「今日も帰れなかったら」「図らずも島流しになってしまった皆様を精一杯おもてなし致します」「流人バス」「無料!」などと書いた紙を空港内に貼って呼びかけた。集まったのは約60人だった。
 日帰りツアー客の欠航対策として温泉送迎などを無料で行っている「NPO法人八丈島観光レクリエーション研究会」(代表・山下崇さん)がマイクロバス3台で温泉、接待会場、宿泊先まで送迎した。接待の会場は、中之郷の民宿ガーデン荘と大沢一勝さん宅。昼夜2回、トビウオのすり身やセロリの酢の物、アシタバ、クサヤ、島酒をふるまった。客たちは八丈太鼓を体験し、歌や踊りで楽しく交流。昼の参加者の中には、持ち帰る予定だったアオダイなど20キロ分の魚を夜の接待用に提供した釣り客もいた。
 欠航で気分が落ち込んでいた客の一人は、『こんな島二度と来ない』と空港から家族に電子メールを打ったが、島の人たちの心温まるもてなしを受け、「『日本にまだこんな所があったのか』と浦島太郎の気分です。感激を通り越しました」と礼を言った。「欠航になって良かった」「また来ます」と声をかける人もいた。芙美子会長(60)は「長年の懸案が実現できてよかった」と胸をなでおろした。
 「欠航対策で、以前は観光協会が炊き出しをしたそうです。無料接待は公的機関が関わっていなければ怪しまれる行為。初めは裏があるのではと疑った客もいました。これからの課題です」と崇さん(34)は話している。