

| 八丈町、特別区・島嶼人権啓発活動ネットワーク協議会主催による「群読公演とパネル展」が11日、八丈高校ロビーと視聴覚ホールで開催され、230人が入場した。群読公演を行った劇団東京ルネッサンスを主宰するのは「サザエさん」のマスオさんや、「それいけ!アンパンマン」のジャムおじさんの声でもおなじみの俳優・増岡弘さん。今回の舞台には声優や俳優として第一線で活躍する佐久間レイさん、岩田安生さんもゲスト出演し、直木賞作家・浅田次郎の「鉄道員(ぽっぽや)」、「ラブ・レター」の2編を演じた。まったく装飾のない舞台に椅子とマイクがセットされ、出演する俳優とナレーターが、ほぼ原作通りに登場人物の台詞を読んでいく。声以外には手の動きや表情、そして最小限の効果音と音楽だけの舞台だが、観客は知らぬ間にぐいぐいと物語に引き込まれていく。同劇団が群読のスタイルを取り入れたのは8年ほど前。「サザエさんをラジオでやる機会があったのですが、声を聞くだけで、みんなが頭の中でサザエさんの絵をりっぱに描けることがわかったのがきっかけです」と増岡さんはいう。舞台の俳優が自分を殺すことで、聞いている観客が物語を自分自身で映像化していく。たとえば「鉄道員」の舞台の北海道の景色なども、聞く人が台詞を追いかけながら、それぞれのイメージを膨らませていく。役者は観客席の後ろに相手がいるイメージで台詞を語るという。演技がない分、台詞に込められる思いは大きい。「声や言葉には力があり、時には人の心を揺り動かしたり、励ましたりしますが、逆に人の心や体を傷つけることもあります。人権を考える催しで、群読が演じられるのは、そうした面が評価されていると思います」と増岡さん。 来場者からは「2作とも映画やドラマになった作品で、どうしてもそのイメージが重なったが、高倉健が演じたかっこいい駅長より、増岡さんのほうがリアルだった」「ラジオドラマとも違う。不思議な感じ」「マスオさんとジジの声優というだけでもすごかった。感動しました」などの声が聞かれた。 写真上の左が増岡弘さん。右はアンパンマンのバタコさん役や魔女の宅急便のクロネコのジジ役の声優・佐久間レイさん。写真下は舞台の様子。台詞を語る役者が順番に前の椅子に腰掛けて本を読む。 |