
| 「第2回ユニバーサルキャンプin八丈島」(NPOユニバーサルイベント協会主催)が2日から2泊3日の日程で、底土キャンプ場を拠点に開催された。昨年に続く八丈島での開催で、障害者や企業の研修者、スタッフなど島外から約100人が参加した。同キャンプは、「年齢や障害を超え、みんなが一緒にいきいき暮らせる社会」の実現を目的とし、ユニバーサル環境(共生社会、男女平等社会、障壁のない社会、循環型社会)の普及活動の一環。同協会の内山早苗理事長によると、「今年は参加者が増え、半数近くがリピーター。昨年は企業の研修で参加したが今回は休暇を取って来た人もいる」。 キャンプ初日の夜には、語りべ・川島昭恵さん(写真右)とNPO江戸川手話通訳者協会・大瀧由美子さん(写真左)による「語り」を、参加者らが楽しんだ。川島さんは6歳で全盲になり、中学1年の時に語りと出会った。「声優の語りを聞くと、頭の中に映像の世界が広がった。不思議な体験だった。その時、私には声を出すことができる、心の中にイメージをつくることができる、人の心に私が描くイメージを投影することができたらいいなぁと感じた」と話す。 それからすぐに、本屋の店先を使わせてもらい、「まねごと」を始めた。本格的な活動はコンピューター関連の会社を辞めた10年ほど前からで、現在はライブハウスや学校での公演を中心に活動する。この日の作品は、杉みき子作「おばあさんの花火」。戦争で息子を亡くしたおばあさんと少年のふれあいを描いた話だ。戦後数十年経っても、迎え火の代わりに海岸で線香花火を点け続けるおばあさんの深い哀しみを、川島さんは静かな語りで伝えた。物語の舞台も海岸ということで潮騒が絶妙の効果音になり、参加者は川島さんの描く世界に引き込まれていった。 手話通訳を務める大瀧さんは、「物語を読み、どのように感情を表現するかを組み立てていく。このような手話通訳は、昨年のこのキャンプが初めての経験」と話す。2人の表現者がひとつになることで、「視覚」「聴覚」というふたつの壁を超え、文学の世界やそのテーマを伝えることができる。「みんなが一緒にいきいき暮らせる社会」というコンセプトを体感できるプログラムだった。 |