06/8/25





 「第46回東京都高等学校吹奏楽コンクール」(東京都高等学校吹奏楽連盟・朝日新聞社主催)が8月10〜14の5日間、府中の森芸術劇場(東京都府中市)で開催され、編成人数別のA・B・C3クラスに252校が参加、島しょから初出場を果たした都立八丈高校吹奏楽部が35人編成以下のB組で最高位の金賞を受賞した。また同時に、最終目標となる「第6回東日本学校吹奏楽大会」(朝日新聞社他主催)へ出場する東京都代表の3校にも選抜された。音楽科の鈴木孝助教諭は「ちょっと信じられない結果」と、喜びを表現している。東日本大会は10月7、8の両日、仙台市泉文化創造センター(宮城県)で開かれる。
 「来たっ!」ーー東日本大会の都代表として八高がコールされたとき、「鈴木先生はそうおっしゃいました」と吹奏楽部顧問の西牧みやま教諭は話す。そのとき、ステージ上ですでに金賞のトロフィーを手にしていた部長の荒川ひかりさん(2年)は「えっホントに、夢じゃないの」と思った。
 八高が出場したB組には115校が参加し、金賞を受賞したのは34校。この中からわずか3校が、各地区の代表18校が出揃う東日本大会の都代表に選ばれた。「銀賞でさえ大喜びする学校もあり、金賞がもらえると各校とも悲鳴に近い声があがっていた」と西牧教諭。さらに、都代表に校名があがったときは「驚きすぎて、意味が分からなかった。生徒は号泣していました」という。
 演奏したのはエリック・ウィティカー作曲の「オクトーバー」という作品で、10月の澄んだ空気を表現した精神的に深い曲。鈴木教諭には、「静かな曲調の中にも八丈の子たちの内に秘めた情熱が表現でき、コンクールに挑戦するにはこの曲しかない」との判断があった。『隠し球』として温めていた曲だったという。
 コンクール当日、八丈の中学校に赴任していた教諭や生徒の親戚も応援に駆けつけた。顧問の教諭や保護者は、「他校の賑やかな演奏と違い、クラリネット1本で始まる曲に会場はシーンと静まり、引き込まれるようで、雰囲気が一変した」「楽譜のない暗譜での演奏。呼吸を合わせる様子まで伝わってきた。これ以上ないハーモニー」「手を振ったら舞台の上から振り返すぐらい、落ち着いていた」と、感想を語った。演奏終了後は拍手が鳴りやまなかった。
 鈴木教諭は「初出場校は銀賞さえ難しいが、東京に着いてからの最後の練習でグンと伸び、金賞に届くかなという思いはあった。生徒には、結果のことは考えないで自分たちの演奏をするようにとだけ伝えた。八丈の子は本番に強く、これまでで最高の演奏ができた」。
 部長の荒川さんは、「演奏後は、やってきたものが出せた、気持ちが表現できたという思いで、みんな泣いていた。代表に決まった後は、会場に隣接する公園で『やったねー』って抱き合いました」と部員たちの様子を語った。また、「上手い学校は本当に上手くて、表現や音の伸びなど、勉強になることばかりでした」「(鈴木教諭が現在も指導する)都立小山台高校の生徒やOBに、いろいろな面ですごく支えてもらいました」など、今後の成長につながる経験や出会いもあった。なお、小山台高は、A組の代表12校に選ばれ、東京都吹奏楽コンクール(9月2日、府中の森芸術劇場)に駒を進めた。そこでさらに絞られた2校が、10月の全国大会に出場する。
 「第6回東日本学校吹奏楽大会」のコンクール部門(高等学校)に出場するのは、北海道、東北、東関東、西関東、北陸、東京からの18代表校。八高吹奏楽部では大会に向け、さっそく21日から練習を始めた。
 鈴木教諭は「東日本大会には、レベルの高い学校が出てくる。わたしたちは、技術ではなく、八丈の子とわたしとで創りあげた音楽を聴かせたい」と豊富を語った。写真提供・(株)エーコーフィルムプロダクション(上)、小野亜紀さん(下)