| 「北の東海林太郎」として知られる石沢長吉さん(89)の歌謡ショーが24日、特養ホームで開かれた。歌ったのは石沢さんが師と仰ぐ東海林太郎の持ち歌で『八丈舟唄』『八丈おけさ』を含む12曲。ホーム入所者とデイホームの参加者ら約120人は、昭和初期のメロディーを口ずさんだり手拍子を打ったりして懐かしそうに聞き入っていた。 「八丈舟唄は、東海林先生が昭和12年に音楽短編映画で漁師役に扮して歌ったもの。先生がロケで八丈島滞在中、予定されていた無料演奏会が中止になっている。南海タイムスを通してそれを知り、八丈の皆さんの前でいつかは歌いたいと思っていました」。石沢さんは八丈島での歌謡ショーの最大の目的をこう語った。 歌のボランティアを続けて9年になる石沢さんは、北海道雄武町の自宅を16日に発ち、埼玉県久喜市、神奈川県鎌倉市、滋賀県甲南市、埼玉県蓮田市の各施設で歌った。八丈島は通算132回目のステージとなった。 曲の合間に歌の説明を入れながら約1時間、直立不動の姿勢で熱唱した石沢さん。伸びやかな美声で最後の曲『国境の町』を歌い終えると、「八丈島で歌うことができ、もう思い残すことはありません。みなさん健康に注意され、生きがいをもって過ごしてください」と激励の言葉をかけた。 石沢さんは水産会社の会長。旅の思い出は必ず文章につづり、機関誌などに寄稿する。「書くことによって、また旅をしている感覚を味わえるから」と語る。訪問先へは、全行程を電車や飛行機を乗り継いで一人で移動する。ステージは月4回のペース。5月の日程も決まっている。(写真左が石沢さん) |
