05/10/14
 八丈島に生息するコキクガシラコウモリの遺伝子(DNA)を採取して遺伝情報から個体群の系統や八丈島に定着した歴史を探るため、オーストラリア人で京大総合博物館に在籍する日本学術振興会外国人特別研究員のカイル・アームストロング氏と夫人で研究者の小西由記氏が、3日から5日まで調査のため来島した。八丈島に野生で生息するほ乳類といえばネズミやヤギ、イタチなどが浮かぶがこれらはいずれも移入種。在来種はコキクガシラコウモリだけという。同種は自然洞窟や防空壕跡に住み、体長は3〜4.5センチ程度。日中は洞窟で休み、暗くなってから小群で活動する。亜種が発生したり、生息する種が限定される「島」の調査は特に重要で、今回は大島、新島も調査した。遺伝子解析では、八丈島で見られる個体群がどの地域の個体群と近いか、また過去や現在、他の地域と行き来があるのかなどの情報が得られるという。アームストロング氏は「島という限定された環境では近親交配が進むと多様性が低くなり、遺伝的に弱くなる可能性がある。今回の調査を機に、八丈島のコウモリの遺伝的構造や交配様式の一部が明らかになるものと期待される」と説明している。