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第3752
号  2020年(令和2年)6月26日 金曜日


● 休刊します 1931年 〜 2020年 ありがとうございました
● 19日、町が来島自粛要請緩和  観光客受け入れへ 医療体制変わらぬまま
● 全日空 7月は5日間だけ2便  3便予約可の8月は…
● 生きた自治の記録  樫立村日記9冊  大倉精神文化研究所附属図書館に
● 江戸後期の樫立村民   「五人組」連印  風格ある先祖の印影
● 底土に広がるサンゴの森  
● 新刊 加藤さんのウミウシ本
● ゆるっとした島旅を  ミス八丈島 大澤萌さん
● 町議会でコロナ集中審議  個人、高齢者への支援も
● 防災無線デジタル化  約7億円 契約議決
● 粗大ごみ  来年度から10キロ200円
● コロナ対応 争点 来月5日、都知事選  過去最多の22人出馬
● 4者に補助金交付 雇用機会拡充事業
● 奥山まどかさん 幻の日本代表に
● 「新さるびあ丸」 藍色の市松模様で
● 観光協会  HPに求人情報掲載
● 南海俳壇 八丈俳句会

 本紙に掲載しました新型コロナウイルスに関連した記事は、6月23日現在の情報によるものです。
 状況は刻々と変化しますので、ご了承ください。 

 



 

 

底土に広がるサンゴの森

 黒潮域に入る八丈島には100種類ほどの造礁サンゴがあるとされる。岩のように被覆する被覆状群体、半円球状の塊状群体、枝のような樹枝状群体や枝状群体が横方向に成長するテーブル状群体などが見られる(写真提供:レグルスダイビング加藤昌一さん

 底土海水浴場の約150メ-トル沖合から離岸堤にかけての浅瀬に、息を飲むほどのサンゴ礁が広がる。周辺にはのんびりと泳ぐアオウミガメの姿も見られ、「沖縄よりすごいのでは…」との声も出るほどだ。
 底土海岸はI型突堤からT型突堤をはさんで、キャンプ場下の突堤まで約450メ-トル。ビーチから約300メ-トル沖合には弧を描くように離岸堤(延長約500メ-トル)が整備され、台風時などでも大きな波浪の影響を受けない環境ができた。以前からサンゴの群落はあったが、ここ20年でりっぱなサンゴの森に発達した。 
 水深は6メ-トルほど。ファンダイビングのポイントとしては浅すぎる。浮力を安定させるのが難しく、着底してサンゴを壊しやすいためだ。ここ数年、注目されてきたのはシュノーケリングを楽しむ人が増え、体験コースをメニューに加えるショップがでてきたため。地元ガイドに案内されたお客さんは、壮観なサンゴの広がりと、ウミガメとの遭遇に感動する。
 人工的なものでも、まわりが囲まれているので一見穏やかそうに見えるが、ダイバーや海水浴客が流される事故は少なくない。中に入り込んだ海水がバケツから水があふれるように、外側に向かって強い潮流をつくるためだ。この潮通しの良さもサンゴの生育には適している。
 今から20年以上前、海水温の上昇や海洋汚染でサンゴ礁の白化現象や死滅が世界的な課題になった。1997年には世界中の研究者やNGO、ダイバーらによってサンゴ礁の生態系を調査するプロジェクトが始まり、99年には50カ国250の地点に広がった。
 八丈島では2002年7月、コーラルネットワークジャパンと、三根・レグルスダイビングの共催で、底土海岸でサンゴの被覆度や健康度を調査する「リーフチェック」が実施された。等水深線に沿って100bの測線を引き、0.5メ-トル間隔で底質タイプを記録したところ、約39%がサンゴに覆われていた。
 翌03年は旧八重根港の「サンゴのお山」と呼ばれたポイントで、04年は神湊漁港内で調査が実施され、それぞれ被覆率は23%と8%ほどだった。調査は継続されていないが、底土以外では台風による波浪や港湾工事で砂や泥をかぶるなどの影響を受け、サンゴ群落の安定した成長は見られない。
 人工的に造成された底土海浜だが、サンゴ礁の発達やアカウミガメの産卵など、自然はたくましくそこに新たな生命を育んでいる。