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第3701号  2018年(平成30年)5月11日 金曜日


 

● U20アルティメット日本代表 合宿誘致へ 町、将来の五輪種目と期待
    アルティメット どんな競技?
      春合宿は2本中止

● FDAチャーター便で574人 同社営業本部幹部ら町訪問 秋の八丈ツアーも商談中

● 福祉3計画 アンケートから見えてくるもの
    公的サービスには限界 行政と住民の協働で A HEARTプラン(地域福祉計画)
      「できること」「してほしいこと」にギャップ
    成年後見人制度 町への相談増加
    八高生のUターン志望 
      大学などを卒業後     9%
      数年働き 島に仕事あれば 22%
      島外で働いて定年後   18%
● 「検証・報告の徹底を」 雇用機会拡充事業 全協で説明
    前年度実績は…
● 大坂トンネル展望台に バイオトイレ

● 中之郷自治会 坂上の公民館建て替え計画検討 土砂災害警戒区域指定後に
● 多かったクジラの回遊 個体識別で「どこから」解明へ
● 変わる島の葬儀、お墓事情 
    受け継がれてきた命

● 島外から100人 島の子集いフットサル大会
● 畑での出火 責任痛感 持丸副町長が辞職
● 前後半に2つの山 GWの来島者増加
● 観光バス1日コース3日間で60人利用
● 4月の来島者増加
● 八丈名流祭 20日 芸能の祭典
● 23・24日 献血 280人目標
●八丈町の平均寿命 男 79.9 女 86.9  東京の島しょ部で最低
●新 刊 Books 
    宇喜多の楽土 木下 昌輝
    小笠原が救った鳥 有川 美紀子
    写真集「山熊田」 亀山 亮

● たんしん
    第10回八丈島一周&八丈富士エコ・ジャーニーマラソンは19日6時、大賀郷公民館前をスタート
    「島じまん2018」が26、27両日の10〜18時、竹芝桟橋・客船ターミナルで

    たんぼまつり(田植え体験)が26日13時から、和泉体験農場で。小雨決行
    三根地域敬老会が27日11時から、三根小体育館で
    卓球連盟主催八丈島ダブルスシングルス卓球大会の申し込みは26日までに各地区代表理事へ
    八丈島バレーボール協会主催の明佑工販杯の申し込みは5月末日まで

    八丈島OB野球春季大会が4月29日、南原野球場で行われ、末吉が3年ぶりの優勝
    第58回棋羅名人戦結果
    第83回少年野球学童部春季大会結果

 

 


 


変わる島の葬儀、お墓事情


 この時期、島の墓地はオオキンケイギクの黄花に染まる



 火葬場の通夜利用が4割になったことを前号で報じた。「葬儀」や「お墓」のありようが変わってきている。全国で「終活セミナー」が盛況だという。自分の最期や、その後のお墓の問題は、誰もが直面するもので関心が高い。あれこれ思い悩み気を遣うのは、大事なものと考えているからこそだ。

 八丈島では以前、主に自宅で葬儀が行われたが、家族や地域の人の負担が大変だということで、お寺が会館機能を担うようになった。そして10年前(08年9月)、通夜・告別式ができる町の新火葬場が完成。当初は通夜利用は年間ひと桁台と少なかったが、老人ホームが12年度から亡くなった入所者の通夜を行うようになって一般にも普及。今では毎年50件ほどが行われる。
 葬儀の在り方は、全国的に簡素化に向かいつつある。その要因の一つが少子高齢化や核家族化といった家族形態の変化。何世代にもわたって先祖代々の土地に暮らす「家制度」が衰退し、葬儀が地域の社会的な儀式から、個人的な別れの空間に変化してきている。
 町の火葬場での通夜・葬儀は、炉前の告別ホールで一切を行うこともあり、本格的な斎場とは設備も異なり、簡素な形式とならざるを得ない。特に喪主が島外在住者の場合は「家族葬」のようなスタイルが増えてきた。
 葬儀にかかる費用など経済的な理由も大きい。ある調査によると、地域差はあるものの葬儀にかかる費用の全国平均は約120万円。飲食費や返礼品を含めると180万円ほどが相場だという。
 都市部では葬儀社が明確な料金を示したうえで、規模、斎場、宗教(無宗教も)などが選べる葬儀プランを用意している。それでも年々簡素になる傾向が強まっており、宗教的な関わりもなく、火葬だけを行う格安の「直葬」プランを利用する人も増えている。
 葬儀につきものなのが香典。八丈島では香典は弔慰を示すと共に、葬儀の出費を分かち合う相互扶助の意味を持つ。香典返しの慣例はなく、芳名帳を見ながら長年かけて返していくので、「利子のない借金」とも言われるが、その香典を辞退するケースも増えてきた。
 島に暮らしているならこの先返していくこともできるが、家族が島外在住ではそれができない。子どもが多かった時代は、誰かが島に残っていたが、少子化になって親だけが島に暮らす家も増えた。
 島内での「家族葬」といっても、都市部とは事情が異なる。島の葬儀社は通夜・葬儀の一切を請け負うシステムではないため、近い友人や知人、親族、地域の人の手を借りざるを得ない。故人の死を積極的に知らせず、ひっそり営もうとしても、狭い島では訃報がすぐに伝わり、参列者が訪れるので、最低限の対応が必要になる。
 「島の葬儀は、お互いさまという気持ちで地域の人が取り仕切ってきた。そうしたつながりは大切なもので、今も残っているが、近所つき合いが希薄になり、お願いするのが、昔のように当たり前のことではなくなってきている。特に喪主が島外に住んでいるとなれば、なおさらだ…」と、お寺の関係者は島の葬儀の変化を実感している。


受け継がれてきた命


 「葬儀の簡素化」の流れはその後の「お墓」にも変化をもたらしている。先祖代々のお墓を継承する人がいなくなり、墓じまいや永代供養を考える人が増えているという。
 永代供養は、各家で墓を持つのではなく、永代供養塔(納骨堂)にお骨を埋葬し、五十回忌まではお寺で供養する。これ以外にも自然葬、樹木葬も選択肢になりつつあり、中には遺骨をそのまま家に置く人もいる。
 「都市部で墓を探すのも簡単ではなく、今はまだ面倒を見てくれる親戚もいるので、実際に墓じまいをする人は多いわけではないが、相談はよく受ける」、「永代供養のために大きな納骨堂をつくったが利用者が多く、すぐ手狭になってきた。自分が生活するのに手一杯で、葬儀や墓にお金をかける余裕がない時代で、永代供養はまだ増えるだろう。お金のない方からは、いただかずに弔わせてもらっている。それは宗教者の勤めですから」と、寺社関係者。
 お墓やその後の供養のあり方は、遺された家族が納得するものであってほしい。「大事なのは気持ち。簡素でいい」と望む人もいれば、「自分の命は何世代も前から受け継がれてきたもので、お墓は心のよりどころ」との思いもある。単に時代の流れだからと、合理的に考えれば済むものではない。  
 また、島を離れて暮らす人にとっては、実家が空き家になり、お墓がなくなれば、自身とふるさとの島との縁はより遠くなる。葬儀やお墓は個人的な問題だが、人口流出が進む島にとっても悩ましいものだ。 
 「本来はあまり先のことを気にせずに生きていければいいと思います。その時が来たら誰かがちゃんとやってくれると安心して。八丈の場合はまだまだ地域の結びつきもあるので、都市部ほどは深刻ではありません。時間をかけて島の実情に合った葬儀やお墓の在り方を考えていければ…」とお寺関係者はいう。